『スティーヴ・フィッツモーリス』(Steve Fitzmaurice)は、イギリスのミキシング・エンジニアおよび音楽プロデューサーである。アイルランド出身。これまでに、U2、デペッシュ・モード、イアン・ブラウン、カイリー・ミノーグ、メアリー・J・ブライジ、アリシア・キーズ、サム・スミス、デヴィッド・グレイ、宇多田ヒカル、Mr.Childrenなど、数多くのアーティストの作品に関わってきた。また、U2やシール、サム・スミスの作品でグラミー賞に10回ノミネートされ、5度の受賞を果たしている。
来歴
アイルランドに生まれる。1987年に10代でダブリンからロンドンへ渡り、サーム・スタジオにて、トレヴァー・ホーンやジュリアン・メンデルゾーンに師事。徐々にエンジニアとして出世し、ペットショップボーイズやティナ・ターナー、タスミン・アーチャーらの作品に関わるようになった。
1992年、機は熟したと考えたスティーヴは、ニューヨークのザ・ヒット・ファクトリーに移り、そこではエリック・クラプトンや若かりし頃のティンバランドらと関わった。それから2年ほど経ってフリーランスになり、1994年のシールの2ndアルバム『Seal II』でエンジニアを担当。同作は第37回グラミー賞で「最優秀アルバム技術賞」にノミネートされた。また、ミキシングで参加したシールの楽曲「Kiss From A Rose」は第38回グラミー賞で「最優秀レコード賞」を受賞した。2000年には、U2の『All That You Can't Leave Behind』に参加し、第44回グラミー賞で「最優秀アルバム賞」にノミネートされた。
2014年、サム・スミスのデビューアルバム『In the Lonely Hour』にプロデューサー、ミックスエンジニアとして全面的に参加。収録曲「Stay With Me」で第57回グラミー賞の「最優秀レコード賞」と「最優秀楽曲賞」の2部門受賞を果たし、アルバムは「最優秀ポップボーカルアルバム」を受賞した。また、2015年の映画「007 スペクター」に起用された同じくサム・スミスの楽曲「Writing's on the Wall」でもプロデューサー、ミックスエンジニアを務めており、同作で第73回ゴールデングローブ賞「主題歌賞」及び第88回アカデミー賞「歌曲賞」を受賞した。
2016年以降は宇多田ヒカルの作品にも参加。アルバム『Fantome』、『初恋』、『BADモード』でミックス・エンジニアを務めた。『Fantome』は第58回日本レコード大賞で「最優秀アルバム賞」を受賞した。2020年にはMr.Childrenのアルバム『SOUNDTRACKS』、2022年にはベスト・アルバム『Mr.Children 2015-2021 & NOW』収録曲「生きろ」で共同プロデューサーとしてクレジットされた。
受賞歴
- 第38回グラミー賞(1995年)
- シール「Kiss From A Rose」 - 最優秀レコード賞
- 第44回グラミー賞(2001年)
- U2『All That You Can't Leave Behind』 - 最優秀ロックアルバム
- 第57回グラミー賞(2014年)
- サム・スミス「Stay With Me」 - 最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞
- サム・スミス『In The Lonely Hour』 - 最優秀ポップボーカルアルバム
- 第88回アカデミー賞(2016年)
- サム・スミス「Writing's on the Wall」 - 歌曲賞
- 第73回ゴールデングローブ賞(2016年)
- サム・スミス「Writing's on the Wall」 - 主題歌賞
- 第58回日本レコード大賞(2016年)
- 宇多田ヒカル『Fantome』 - 最優秀アルバム賞
主な参加作品
脚注
外部リンク
- 人物紹介
- スタジオ




